Monday, November 3, 2014

ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古 Peter Brook: The Tightrope

多忙を極めた夏があっという間に過ぎ去り、
気付けば今年もあと2ヶ月。
私の秋は芸術の秋。
再び演劇への愛が盛り上がっている今日この頃です。

そんな中見に行ったのが、現在シアター・イメージフォーラムで公開中の
ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古」。
とても興味深く、面白く、
今年見に行った中で一番の集中力を要した映画です。
お陰で終わる頃には空腹で倒れるかと思いました。笑

「なにもない空間」を創造する演出家、ピーター・ブルック。
あの蜷川幸雄氏や野田秀樹氏が若い頃に見て、目標とした人物です。
彼の演出の根源とも言える、
トレーニングやワークショップに密着したドキュメンタリーが公開されました。
見に来ているのはやはり、演劇人っぽい人ばかり。笑
(演劇にさほど詳しくない友人に見に行く?と聞いたら珍しく断られました)

映画の原題にもなっている、綱渡りのエクササイズは
見るのは簡単、やるのは非常に難しい。
感覚の鈍い足の裏に集中力を保ち、
そこに本当に綱があるとのリアリティを自分自身の中に持ち続ける。
さもなければ、綱渡りのモノマネに陥り、
手をただバタつかせてみたり、
綱の上にいるはずが随分大きなエリアを歩いてしまったり。

参加しているメンバーは皆、経験豊かな役者たちばかりですが、
そのなかでもインドの舞踊家のシャンタラ・シヴァリンガッパ氏は別格。
やはり普段から裸足で踊る訓練を積んでいるからか、
足の裏の感覚は人一倍鋭いように見えました。

芝居とは普通を演じることだとブルック氏は言う。
そしてその普通を作り出す為には、役者は日常をよく観察し、
分析した上でそれをアウトプットする能力を持たなければならないのだ。

自分も稽古場にいて、他の団員のエクササイズを見ているような気分になり、
見れば見るほど自分でもやってみたい、
演劇の稽古って難しいけれど、とっても楽しいものだったな、
という気分になりました。
演じるとは何なのか、本気で考えたい人は絶対見るべき。
私ももう一度見に行きたいなー・・・。

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